食品を扱う仕事の中でも、食品衛生は広範囲で且つ専門的な内容が多い分野でしょう。
品質管理の部隊を専門で持っている会社であれば、もともとその分野に精通している上司がいたり、また、必要な情報も効率的に収集することが可能かと思います。
ただ、そのような会社はごく一部であり、多くはそうではありません。
商品部や営業部が片手間で食品衛生の対応をしていたり、社長自らというケースも少なくないのが現状です。
そうなりますと、新しく配属されたあなたも、自ら勉強をしていかなくてはいけないでしょう。
なので、今日は、最初の取っ掛かりの参考本や勉強法をご紹介します。
※あくまで私の主観的なものでございますから、様々な意見の一意見としてお聞きいただければ幸いです。
英語ほどではありませんが、食品衛生に関する分野も割と出ています。
どれを選んで良いか迷ってしまいます。
まず一番最初の取っ掛かり的な入門書としてはこちらをお勧めします。↓
この本のおすすめポイントは、やさしい言葉を使って説明してくれているところです。このような専門書はよほど気を使って書かないと、どうしても難しい言葉が混ざりやすくなるようですが、本書はそこを十分配慮してくれている印象です。それに絵が豊富で、大きく描かれているので、疲れずにページを進められるのも良い点です。
次に、HACCPについてです。これも避けては通れないワードですし、これまたたくさんの本が出ています。
ただ、一番最初はこちら厚労省HPのもので十分だと思います。
前者は、取り扱う食品や業態ごとにHACCPの手引きが掲載されています。
恐らく、はじめは何を言っているのか分からないかもしれません。そうであればもサラっと何となくこんなこと書いてあるんだな程度で構いません。どんなワードが使われているのか?どれくらいのボリュームがあるものなのか?だけでも感じ取っていただければ。
というのも、HACCPというのは食品衛生管理手法の”手法の一つ”です。なので、実践するタイミングが無いうちは、よほど勉強が得意でない限りいくら勉強しても頭に入ってこないでしょう。野球をやったことない人がバッティングの方法を説明した本を読んでも頭に入ってきませんよね。「一度も現場に入ったことありません」「HACCP管理をしたこともありません」という人で、「既にHACCPを理解している」という人に会ったこともありませんし、最初のうちはそんなもんです。
その代わり実践的なセミナーがあれば参加してみたり、そうでなくてもネットで他者の改善事例などを検索した方が有効でしょう。「すこしわかってきたな」「具体的にあの言葉の意味が分からないな」というふうになってきたら、入門書を手に取ってみると良いでしょう。
最後に、少し組織的に取り組んでいる食品会社であれば「PDCAサイクル」という言葉も早いうちから耳にするでしょう。(PDCAの意味については割愛します)
たまに、「PDCAは簡単に回せる」「PDCAは明日から回せる」というようなキャッチコピーが表紙を踊るのを目にしますが、これも注意が必要です。なぜなら、ほとんどの企業でPDCAなどまともに回っていないからです。回っていたとしても「P→Dへ行く直前にめちゃくちゃ頑張る」「一人の社員がCを何とかやってくれた」「問題の一部だけがフォーカスされ、他の問題が見過ごされている」「そもそも必要のないPから始めている」といった状態になっている可能性があります。ただでさえ人が足りないと言っている中でPDCAがきれいに回るはずもありません。
なので、PDCAを勉強するにあたっては、組織の失敗談のボリュームがある本を読み、そこから自社の組織運用に必要そうな課題を感じ取ることをオススメします。