現代の食品を「安全、おいしい、機能」の3つのキーワードをもとに考えていくと、いろいろなことが見えてきます。
どういうことか解説していきます。
下の図のように、安全、おいしい、機能で正三角形を作ります。
この正三角形は、「良い食品」を表しているとします。
ではここで、一番下の段にある「安全」の幅を小さくしてみます。
三角形は崩れます。
この状態を食品会社に当てはめてみます。
例えば、こんな感じです。
「おいしさや機能ばかりに力を入れ、成功して、どんどん店舗数を増やした。ふと振り返ると、安全面をおろそかにしてしまったため、どの店舗もバックヤードは汚く、従業員は衛生の知識もない。そしてある日、食中毒が起きた」
次に、「安全」の幅を大きくしてみます。
三角形は崩れはしませんが、不格好です。
この状態を食品会社に当てはめるとこんな感じです。
「安全面を考慮し、詳細で膨大なルールとマニュアルを取りそろえた。安全な食品を提供できるようになったが、従業員達は膨大な記録の確認や必要以上の清掃をしなくてはいけなくなった。そしてある日、従業員は疲労で倒れた」
以上からは、こんな教訓が言えると思います。
現代の良い食品とは、
「会社や事業などの規模に合わせて、まず安全の幅を大きくし、それに合わせて、おいしさや機能の幅を大きくし、正三角形の大きさを少しずつ広げていく」
ということが言えるかもしれません。
上記はあくまで、イメージを例としてあげたものであって、実際はもっと複雑ではございます。
また、「安全、おいしい、機能」というのも、もしかしたら「安全、見栄え、安さ」かもしれませんし、その時代時代で変化もしていくでしょう。
ですが、いつの時代も「安全という土台無くして良い食品は無し」というのは変わらないのではないでしょうから、あとは、その土台を、自社に置き換えた時に
「今どれくらいの幅なのか?」「未来にどれくらいの幅が必要になるか?」を常に見定めることが大切です。