「衛生的な厨房の基準は何ですか?」
こんな質問をよく受けます。
そんなとき、私はこのように答えます。
「明るい厨房であることは目安の一つです」
すると、相手から、
「明るい厨房?従業員が明るいってことですか?」と返ってきます。
もちろん違います。どういうことかご説明します。
専門的に言えば、整理・整頓・清潔がしっかりできていて、見た目に綺麗であること。加えて、一般生菌や大腸菌群などの微生物を採取してみて、基準値よりも少なければ、衛生的な厨房と言えるかもしれません。
しかしながら、従業員の清潔度合い、食材の温度管理や殺菌の方法などなど、他にも衛生に関わることは多岐にわたるため、答えはそう単純ではありません。
では、「明るい厨房」とはどういうことなのか。ここからは、目安の一つであることを念頭に読み進めていただければと思います。
ここで言う”明るい”とは、光の明るさを指します。
なぜか?
まず、明るい厨房とは、厨房内の至る所で光が乱反射している厨房のことです。
埃や汚れがあっては、光が反射できる面積は少なくなってしまいます。厨房内の多くのものは、ステンレスなどの金属素材でできていますから、光が反射するためには、壁や冷蔵庫、オーブンなどの施設類に加えて、鍋やボウル、バットなどもピカピカでなくてはいけません。
でも、せっかくピカピカにしても、私物や調理に関係ないものが至る所にあれば、光の反射は遮られてしまいます。なので、整理整頓が必要になります。
ここまでくればイメージが湧きますね。
整理・整頓・清掃ができているから、厨房内のいたるところで光が乱反射していて、明るく見える厨房、が衛生的な厨房。ということになります。
もちろん目安の一つでしかないのですが、馴染みのレストランの厨房が、いつもより明るく感じたときは、整理・整頓・清掃してくれているんだなって思って覗いてみるのも良いかもしれません。
独立衛生探究者てんさん