「人が少ないから、良いものが作れないだ!」
現場のこういった嘆きはよく聞きます。
確かに、予定生産量に対して実際の生産能力が相応でないのでは?
と感じる現場はあります。
では、人手が多ければ良いか?というとそうでもないようです。
これはよくある現場の話。
「人手が足りない」
と現場の声。
忙しさからミスやクレームも。
現場の声に応えるかたちで、会社が従業員を大幅増員。
「有難い、これから少し楽になりますよ」
と現場の声。
後日、その現場に行ってみると…
なんだか雰囲気が暗い。何をしていいのか分からず立ち尽くしている人もいる。それを睨んでる人もいる。近くで聞いてると愚痴も聞こえてくる。
いゃゃゃゃゃゃ!!
当事者でもないのに争いごとがあるとビクビクしてしまいます Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)
現場に話しを聞いてみると。。。
「みんな自分のことしか考えていない」
「何の説明もなしに人に仕事を振ってくる」
と現場の声。
<まとめるとこんな感じ>
以前は、人が少なかったからこそ、全体を見ながら仕事を進める必要があった。相手の状況を確認するようなコミュニケーションを、各々が自然に取り、忙しそうだったら、仕事の振り方や受け方を工夫して、上手く回していた。
↓
それが、人数が増えたことで、自分のまわりだけに集中する人が増えてしまい、コミュニケーションが疎かになっていってしまった。
このようなケースはよく見かけます。分業は、生産性を効率的に上げることができるというメリットがある一方で、工程と工程の間に隙間ができます。分業が今ほど進む前の昔の大工は、顧客のニーズ聞き取りや図面引き、完成後のアフターフォローまで、今より多くのことを一人でこなしていたそうです。
二人の間のコミュニケーションの数は1つです。
そこに一人増えればコミュニケーションの数は2つ、ではなく3つです。
さらに一人増えて四人になればコミュニケーションの数は6つになります。
分業は、隙間ができます。人が増えるとということは、その分、隙間も増えます。工夫して閉じなくてはいけません。その穴に早めに気づかないと、穴はどんどん大きくなってしまい、取り返しがつかないことになってしまうかもしれません。(もちろん増員数自体も見直す必要がありますが)
独立衛生探究者てんさん