消費者:購入した商品にカビみたいなのが見える!一口食べてしまっているのだが、カビ毒による人体への影響が無いか心配だ!
こんな問い合わせを受けた、という話よく聞きます。カビが作り出す代謝産物には、長期に連続して食べ続けた結果として起こる慢性毒性(半年から1年程度の長期間にわたり連続または繰り返し摂取することにより現れる毒性)、発がん性のものが主体となります。ただし、人に対して急性毒性(摂取直後から摂取後数日以内に現れる毒性)を示すものもあります。この代謝産物のことを、カビ毒といいます。
◎「カビが生えている部分を取り除けば食べれるよ」という話を聞くことがあります。これは間違いです。カビがないように見える部分にも、カビの菌糸や胞子によって汚染されている場合があります。
◎また、「火でしっかりと殺菌すれば大丈夫だよ」という話も聞きます。これも間違いです。カビ毒は熱に強く、一般的な調理では完全に分解することができません(100度~210度で60分以上加熱しても安定)。
代表的なカビ毒の種類を載せておきます。
上記はあくまで代表的なものです。現在カビ毒の種類は300種以上知られており、カビの種類によって、カビ毒の種類も変わってきます。農水省のHPも参考いただければと思います→【かびとかび毒についての基礎的な情報】
なので、もし自社製品でカビが見つかり、そのカビ毒の種類を知りたいといった場合は、
[1]まずはカビの種類を同定する
[2]次に、同定されたカビが産生するカビ毒の種類を確認する
[3]最後に、そのカビ毒の有無を分析してみる
という流れが、正しいロジックになるかと思います。